介護タクシー開業に必要な資格は?
介護タクシーを開業するにあたり必要な「資格」というものがあります。誰でも介護タクシーを開業できるわけではないということですね。
必要な資格ですが、①普通自動車の二種免許、そして、②介護の資格です。
介護タクシーは多くの場合、個人事業で開業しますので、経営者=運転手となります。
つまり、必然的に経営者が二種免許と介護の資格を持つということになります。
ただし、介護の資格は絶対ではありません。福祉車両を使うことで無資格でも開業することはできます。
必要な資格①普通自動車第二種免許
個人タクシーと同じように二種免許が必要です。ただし、個人タクシーの運転手とは異なり、実務経験は求められません。
二種免許は、タクシーやハイヤーなど人を輸送するために必要な免許です。
普通自動車免許を取得してから通算3年以上の運転経験があれば取得できます(21歳以上)。
二種免許を取得するには、通常は自動車教習所に通います。
まれに運転免許試験場で一発試験を受ける人もいますが、合格率は決して高くありません。
何度も再試験を受けるはめになりかねませんので、教習所に行くことをおすすめします。
自動車教習所で二種免許を取得するまでの流れは、一種免許を取得したときと変わりません。
学科講習・技能講習を受講して、最終的に技能検定に合格すると自動車教習所を卒業できます。
運転免許試験場では、視力検査などの適性検査と学科試験に合格すれば、運転免許証が交付されます。
教習の期間は教習所によって違いはありますが、学科教習で19時間、技能教習で21時間前後です。合宿免許の場合、10日程度の短期間で終えることができます。
これから介護タクシーの開業を考えているのであれば、開業準備と並行して、二種免許を取得できるように計画を立てましょう。
ただし、二種免許は自動車を運転する運転者(ドライバー)が取得していればいいので、二種免許を持ったドライバーを雇うことでも構いません。
必要な資格②介護の資格
まず、介護タクシー事業に使用する自動車によって介護の資格が必要かどうかが異なります。
福祉車両(福祉自動車)を使用するのであれば、介護の資格は絶対ではありません。
福祉車両を使用する場合
福祉車両とは、下記のような自動車です。
- 車いすやストレッチャーのためのリフト、スロープ、寝台等の特殊な設備を設けた自動車
- 回転シート、リフトアップシート等の乗降を容易にするための装置を設けた自動車
つまり、車椅子やストレッチャーがそのまま乗車できる車両ということです。
車椅子のまま乗れるリフト付きの車両、スロープ付き車両など、いろいろな種類の車両があります。
この福祉車両を事業用として使用するのであれば、乗務員は介護の資格は有していなくても構いません。
福祉車両を使用する場合は、二種免許のみで開業することができます(車両5台未満の場合)。
ただし、介護タクシーの利用者は、要介護者、要支援や身体障害者等ですので、利用者からは介助行為をしてもらえると期待されます。
実際、介護の資格は絶対ではありませんが、下記のいずれかの要件を満たすように求められています。
- 一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会等が実施するケア輸送サービス従事者研修を修了していること
- 一般財団法人全国福祉輸送サービス協会が実施する福祉タクシー乗務員研修を修了していること
- 介護福祉士、訪問介護員、サービス介助士のいずれかの資格を有していること
介護タクシー事業を行うのであれば、やはり運営上、営業上も介護系の資格は必要になると考えておくと良いと思います。
福祉車両を使用しない場合
福祉車両を使用せず、セダンなどの一般車両を使用する場合は、介護の資格が必須になります。
乗務員は、次のいずれかの要件を満たす者でなければなりません。
- 一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会等が実施するケア輸送サービス従事者研修を修了していること
- 介護福祉士、訪問介護員、サービス介助士のいずれかの資格を有していること
上記の資格者が運転者として同乗することが基本ですが、運転者とは別に、資格をもった者が乗務することでも対応できます。
なお、現在は訪問介護員(旧ヘルパー2級)の資格は廃止されていますので、正しくは「介護職員初任者研修」が該当することになります。
介護職員初任者研修は、介護職員として働くために最低限必要になる資格です。
受講資格は特になく、介護のスタートラインとなる資格ですので、仕事をしながらでも取得しやすいと言われています。
資格学校に通うことで、1ヶ月程度の比較的短期間で取得できます。
無資格の方は、二種免許の取得と合わせて取得できるように計画を立てましょう。