介護タクシーを開業する場合、自宅の駐車場を介護タクシーの車庫にしようと考える方は多くいらっしゃいます。
要件を満たすのであれば、自宅の駐車場を車庫としてまったく問題ないのですが、駐車場の前面道路が問題になることがあります。
介護タクシーの車庫には、タクシー業で使用する「事業用の車両」を停めることになりますので、車庫の前面道路の幅に一定の広さがあることが求められています。
車両の大きさに対して、前面道路の幅が狭かったりすると、交通の安全が確保できないため、許可はおりません。
前面道路が公道の場合(県道や市道など)であれば、その道路を管理している道路管理者(県や市など)から幅員証明を発行してもらって、道路の幅が何メートルあるかを証明することができます。
もし、前面道路が私道の場合は、公道ではないためその道路幅の確認は必要なくなりますが、その私道(土地)の所有者から介護タクシーに使用する車両を通行させてもいいのか、承諾を得る必要があります。
※道路の種類が「公道(県道や市道等)」か「私道」かを調べるには、役所へ行って確認することができます。
ここで問題になるのは、土地の所有者は誰であるかです。
普段何気なく自宅の駐車場に車を停めていると思いますので、自宅の前の道路は誰が所有しているのかなんて気にしたことはないと思います。
まったく知らない第三者が所有者かもしれませんし、企業・会社が所有しているかもしれません。周りに同じような住宅がある場合は、その土地を購入した人達の共有名義ということもあります。
所有者が顔見知りであれば、承諾を得やすいかと思いますが、まったく知らない人が所有者であれば、承諾してくださいと言われても困惑されたり、面倒だからと断られたりすることもあります。
また、所有者が複数いる場合は、その全員から承諾を得る必要があります。まずは、所有者全員から承諾を得ることが現実的であるのかどうかの確認が必要です。
※土地の所有者が誰であるかは、法務局で土地の登記簿謄本を取得することで確認できます。
そして、その私道に接続する「公道」の幅員証明も必要になります。
つまり、前面道路が私道であった場合は、
・私道の所有者全員から承諾を得れるか
・私道に接続する公道の幅は適切な広さがあるか
この2点をクリアーしなければなりません。
自宅の駐車場を使用すれば簡単だと考えていたら、土地の所有者から承諾を得ることができなかったということもあります。
前面道路が私道の場合は、公道以上に手続きが難しくなると考えてください。
これから駐車場を借りるのであれば、前面道路が私道であるところは、なるべく避けたほうが良いと言えます。