はじめに
介護タクシー事業は「実際にどれくらいの収入が得られるのか?」、「どんな要因で売上が変動するのか?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?
この記事では、介護タクシーの売上や収入の平均額について、具体的な試算に加え、自社のお客様から寄せられた情報や実例を基に考察を行い、より現実的な視点で解説します。
事業を始める前に知っておきたいポイントや成功事例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
介護タクシーの売上の基本構造
- 運賃収入:距離や時間に応じた基本運賃。初乗り運賃、迎車運賃、待機運賃など
- 介助料金:乗降時や院内での介助に対する料金(例:500円~1,000円/回)
- 機材レンタル料金:車椅子やストレッチャーの貸出料金(例:1000円~3,000円/回)
- 救援事業:お買い物代行病院の診察予約、薬の受け取り代行など(例:1000円~2,000円/回)
平均的な売上と収入例
(1) 月の売上試算
1台あたりの稼働台数を基に、平均的な1日の売上を試算してみます。
1件あたりの平均料金:初乗り運賃 + 走行距離加算 + 介助料金 ≠ 6,000円
日の売上:
6,000円 × 3件 = 18,000円
月の売上:
18,000円 × 22日 = 39万6,000円
1日の売上:
6,000円 × 6件 = 36,000円
月の売上:
36,000円 × 22日 = 79万2,000円
(2) 経費試算
介護タクシー事業では、以下のような経費が発生します。※人件費は計上していません。
- 車両費(リース料・ローン):月1万円~5万円
- 営業所の賃料:3~7万円
- 車庫代:月5,000円~2万円
- 燃料費:月2万円~3万円
- 保険料:月1万円~2万円
- 整備費・消耗品費:月5,000円~1万円
- 通信費(業務用携帯、システム費):月5,000円 etc
月間経費総額:約8.5万円~20万円
(3) 利益の試算
- 売上39万6,000円の場合 → 39万6,000円 – 13万円 = 26万6,000円
- 売上79万2,000円の場合 → 79万2,000円 – 18万円 = 61万2,000円
売上を左右する主な要因
介護タクシーの売上や収入は、次の要因によって大きく変動します。
(1) 地域性
都市部では利用者が多く、稼働率は高くなる傾向があります。地方では距離が長くなるため、走行距離加算で売上が上がりやすい反面、利用者が少ない可能性があります。
(2) 提供するサービス内容
介助が必要な利用者が多い場合、介助料金や待機料金が売上に貢献します。定期契約(通院やリハビリ送迎など)があると収入が安定しやすいです。
(3) 稼働時間
ここでの例では、1日3件と6件では収入が大きく変わるため、効率的な稼働計画が必要です。
4. 収益を向上させるポイント
(1) リピーターを確保
利用者との信頼関係を築き、定期的に利用してもらう。ケアマネージャーや地域包括支援センターと連携し、新規利用者を紹介してもらう。
(2) サービスを多角化
通院や買い物だけでなく、旅行やイベント送迎など幅広いニーズに対応。
(3) 効率的なルート設計
同じ地域内の利用者をまとめて送迎するなど、無駄な移動を減らす。
介護タクシー開業の魅力と注意点
- 高齢化社会において、需要が安定している
- 比較的小資本で始められるため、参入のハードルが低い
まとめ
以上、いかがでしたでしょうか。できるかぎり具体的な数字を使って考察をしてみましたが、介護タクシーの売上や収入は、稼働率やサービス内容、地域性によって大きく異なります。
事前にしっかりと試算を行い、効率的な運営計画を立てることで、安定した収入を得ることは十分に可能だと思います。
「安定した売上を実現したい」「開業準備の進め方がわからない」という方は、ぜひ行政書士など許認可手続きの専門家のサポート等も活用しながら、スムーズなスタートを切りましょう。